Making of ARiA #1

── どれほどの時間が経ったのだろう。紫気を纏った空を少女はずっと見つめていた。
瞳に映る星図は今もなお、無限の広がりを見せている。──



2010年1月。年が明けて間もない頃、ARiAはスタートしました。

きっかけはUST。とくさんがTwitterで作業USTをやるというpostを見て、何気なく覗いてみたのが始まりでした。
そのUSTのチャットに居たのがORYO君とlinoさん。話の流れなどはわすれてしまいましたが、とくさんが「一緒にやってみない?」と言ったのが最初だったと思います。
とくさんとはrefeiaさんを通じて以前から飲みに行ったりはしてたので、とくさんの楽曲なら是非やりたいと参加を表明しました。映像はその時点では、仕事空いてたら出来るかもみたいな話はしていたと思います。
本業の仕事が詰まり気味だったので、その日のうちにオケをもらい、コードなどを聴いて書き取り(後日オケと一緒にコード譜もあることに気付きました…)、翌日ギターアレンジ、録音して提出。あとはとくさんに任せる形になりました。

1月中旬。refeiaさんの所のオフ会に木緒さんの車でrefeiaさん、木緒さん、僕で行ったのですが、その帰り道に僕が、木緒さんデザインでrefeiaさんがイラスト、僕が映像やったら楽しそう!木緒さん文章も出来るし!(この頃とくさんは詩で悩んでた)と思い木緒さんに一緒にやりませんか?とお誘いしました。冬コミでrefeiaさんのところの折本をノリと勢いで作ってしまった僕たちなので、もしかしたら今回もやってくれるかなーと思ったら案の定乗ってくれました。
僕の家に着いて早々、とくさんにSkypeで突撃して木緒さんを紹介しつつARiA PVを作る事が決定。
詩についてはその時木緒さんは遠慮していたのですが、後日linoさん、とくさん、木緒さんで共同という形に。

1月末、ARiA PVの打ち合わせ。
この時には詩もほぼ完成しており、打ち合わせ当日にORYO君からベースも送られてきたので、うちのProToolsで仮オケを流しつつPVの構想を練る事に。
PVはとくさん、refeiaさん、木緒さん、僕の4人で作っているのですが、全員一線でプロとして活動しているので、とても話が早かったです。
全体のボリュームから始まり、各人の作業内容の確認、スケジュール割り。詩を読みこんでブレストしつつ世界観の構築。refeiaさんにその場でイメージボードとキャラのラフを描いてもらい、背景設定、キャラ設定などを決めていきました。

 初期ラフ

初期構想なので後日変わった部分や追加された部分はありますが、
ARiAはこのとき誕生したと言ってもいいと思います。

2月上旬、とくさんと木緒さんが歌詞を、refeiaさんがキャラデザインを、僕が初期コンテを持って打ち合わせ。世界観、設定の調整と映像の全体の流れを決め、キーとなる演出なども決めていきました。(ギターソロの場面のアイコンとか)
そしてここからはIRCを使って個々に連携を取りつつ、各人仕事の合間に時間を作っての作業が始まります。
とくさんは曲のMixとSE(OPの効果音など)。僕がコンテを書きつつ、デザインしてほしいパーツを木緒さんに発注。また、キャラのポーズや構図のラフを描いてrefeiaさんにイラストの発注。かなり流動的に進んだと思います。

ちょっと核心に触れてしまいますが、世界観は荒廃した未来の地球、ただARiAの世界の中では古い文明という設定です。
それを木緒さんと相談しつつ最初にOPのカットが出来上がりました。
曲に入る前に30秒近くOPあるのはどうなんだ?というのはありましたが、ただのイメージビデオにはしたくなかったし、ストーリーを埋め込むには必要でした。
リリースしてすぐの動画のコメントなどで「どこか郷愁を感じる」「懐かしい感じがする」などありましたが、OPの掴みから木緒さんが世界観を見事に表現した結果だと思います。コメント見たときはデザイナーすげーって思わず唸ってしまいました。

 ARiAコンソール

最初の架空企業のロゴや名前もちゃんと意味を持ってたりするので、気になった方は色々考えてみるのも楽しいと思います。

 Xeironロゴ

ロゴといえば、当初ARiAロゴはOS起動時のロゴだけだったのですが、タイトルロゴは分けたいと僕が無理を言って作ってもらいました。
つまり架空企業のロゴを入れると、一流デザイナーの本気のロゴ3つ分。ひどいですね。コンテ書いたの誰だ!

 ARiAロゴ

他にもインターフェース周りはこだわっているのですが、ニコニコ動画のサイズだと潰れて文字が読めないのがあるのが残念です。元は1280×720なのでそのうちHDで観れる時がきたら細かいデザインも見れると思います。
もちろん核心に触れるようなところはニコニコ動画でもギリギリ読めます。

一番木緒さんがノリノリだったのが、2回目サビあとのギターソロ部分。わりと早いうちからここの構想は決まっていたのですが、打ち合わせの時に「必殺技みたいにしたい」と言ったら木緒さんが「じゃあアイコンいっぱい作りましょう。やりますよ!」と言いだし、僕が「あとウインドウがここでブワーっていっぱい出るのとかどうでしょう…?」と無茶振りをしたら「いいですね!全部作りますよ!」とすっごい笑顔で言われてしまいました。
勢いって恐ろしいですね。

 ウインドウ群

しかもここのアイコンとウインドウ、実は打ち合わせ当日にその場で木緒さんがラフを描き終え、1週間後くらいには完成版を僕の所に送って来たのが驚きでした。ストーリーとアニマティクスが出来ていたとはいえ、いくらなんでも早すぎます。IRCやTwitterで話をしてる限りでは、その間にすごい量の仕事してたはずなんですが…

 木緒なちさんの手書きラフ

木緒さんだけでは無く、イラストも実はけっこう無理なお願いしていて(ひどいですね)refeiaさんにはだいぶ無茶をさせてしまいました。イラストは全部で6枚(立ち絵5枚+背景)で、あとでAEで動かす事やアップのカットに耐える絵ということを考えて、わりと大きめの解像度に細かく描いてもらってます。
しかも普通やらないような髪の毛の房ごとにレイヤーを分けてもらったり、手足などもレイヤーを分けてもらってます。さらに目パチや口パク、背景はbook分け等、多岐にわたります。

 キャラレイヤー

前々から、アニメ絵ではなくイラストくらい描き込まれた絵は、やりようによっては背景がリアルよりな3Dでもマッチするんじゃないかと思っていました。
あまり前例が無いのは理由があって、イラストのクオリティでアニメのように枚数描いてもらうのは無理があるのと、前述した「やりようによっては」の部分が関わって来ます。
リアリスティックな3D背景にキャラ絵を溶け込ませるには条件がいくつかあって、基本的には自然物の上には合いません(草木、花、岩山等)。逆に人工の建築物などはわりと溶け込ませる事が出来ます。あとは色調補正、いわゆるカラコレが必須です。あまり人に言えたものではありませんが、プロとアマチュアの差は色の扱い方で如実に出ます。
ここらへんが、前例があまり無い理由です。
作る物と作る者がうまくマッチした結果、あのクオリティが出せたのだと思います。

refeiaさんには無茶なお願いをしたにもかかわらず、他にも色々気を使って頂きました。
背景となる3DCGの絵を先に見せていたのですが、それに合わせて人物の色や塗りを変えてもらってます。
また、OPの背景画も3DCGに負けない画作りをしてもらいました。(本人は背景苦手と言ってましたが)
ARiAの画面が違和感無く見れるのはrefeiaさんの絵がもつファクターが大きいですね。

あとARiAたんは、はいてません(キリッ

 はいてません

#2へ続く

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